こころのふるさと奥出雲町 追谷

ぼくらの学校のある追谷は、鳥取県日野郡日南町から島根県仁多郡奥出雲町を結ぶ県道108号線から、船通山に向かって深く入り込む谷に位置する自然が豊かな場所です。

追谷に流れる水は、ミネラルをいっぱい含んだ船通山かなの清らかな水。その流れにそって気持ちのよい風が吹き抜けていきます。

標高も高いので寒暖の差が激しい場所です。ぼくらの学校の拠点となる古民家 秋鹿屋のある場所で、標高465メートル。平均して米子市内より2~3℃の気温差があり、夏でも裏山から船通山下ろしともいえる涼しい風が吹き抜けていきます。

標高の高さを感じるのは気温だけではありません。夜、深い群青の山々の合間に見える星たちの瞬きはとても大きくキレイです。星空の第一印象は「星が近い!」


四季の移り変わりを直接肌で感じることが出来る場所。遠い昔訪れたおじいちゃん、おばあちゃんの家。忘れかけた心のふるさとのような場所です。


【 歴史的に見ても価値の高い場所 】

清らかな水を提供してくれる船通山は、神代の昔スサノウが降り立った山として知られています。追谷のある鳥上という場所は、そのスサノウがヤマタノオロチを退治したその場所。1300年前の遠い神話の世界を感じることが出来ます。

奥出雲町は「たたら侍」という映画でもご存じのように、昔から質の良い鉄が摂れる場所としても有名です。なかでも「玉鋼」は特に有名です。追谷でも松江藩お抱えの鉄師卜藏家がたたら製鉄を営んでいました。その当時使われた水車が復元されたり、たたら場には必ずある鉄池や桂の木や現存します。秋鹿屋には当時作られたふいごがあったり、鉄の塊ケラがそこらへんに無造作にころがっています。

現在追谷の景観は、文化庁が「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできない」として指定したたたら製鉄及び棚田の文化的景観として保全活動が行われています。


【 なんといってもお米が美味しい! 】

たたら製鉄では、山を崩して砂鉄を取る鉄穴流し(かんなながし)が行われていました。そのあとが追谷に残る棚田です。その棚田にミネラルたっぷりの船通山からの水。鉄を運んだ牛たちの有機肥料。そして標高の高さがうみだす寒暖の差。「東の魚沼 西の仁多米」と言われるほどの米どころになりました。奥出雲のなかでも、斐伊川の源流となる場所で標高が高いところに位置する追谷のお米は、奥出雲の人でさえ「追谷のお米は美味しい」「冷えても美味しい」と口にする評判のお米です。

お米が美味しければ、当然お酒も美味しい♪ 簸上清酒さんの七冠馬や玉鋼は特におすすめです。


【 温かい人柄が人を呼ぶ 】

追谷は全部で29戸。みんな笑顔のなかよしさん♪ 私たちが上がれば、声をかけ、手を振ってくださる方々。秋鹿屋の隣のおじちゃんは、そば打ち体験の講師をされる社交家さん。「わしらもイベントに参加できるかね?」と聞きながらコーヒーを飲んでほっこり。まったり。持っていた仕事道具を置いて帰られました。

毎年田植えの後と、稲刈りの後の棚田を利用したライトアップイベントたたらの灯が追谷自治会主催で行われます。みなさん総出で「ほたるびと」になり、ペットホタルの差し込み作業を行い、オープンイベントでは仁多米の塩むすびが振舞われます。たくさんの皆さんに追谷に来て、知ってほしいのです。

そんな和気あいあいの中に、古くからの歴史に彩られた地域に対する自信と誇り。この地域に住み続ける意思みたいなものをみなさんに感じます。

以前外国のクルーズ船のお客様の受け入れもしたことがある追谷。校長先生をはじめ心暖かな地域の方々が、みなさんとの交流を楽しみにしています。


楽笑本舗(らくしょうほんぽ)

鳥取県の西部に位置する米子市を拠点に活動する、任意団体 楽笑本舗についてご紹介しています。